日本音楽集団
Japanese English
 2006.9.21.(木) 第184回定期演奏会
コンポーザーズ・プロジェクト・シリーズVIII 林光氏からのメッセージ

一、花鳥図譜 林光作曲
   笛:西川浩平 打楽器:多田恵子

二、トリオ・コンチェルト 林光作曲
   尺八:米澤浩 三味線:杵家七三 箏:桜井智永

三、宮澤賢治詞華集 林光作曲
   歌:竹田恵子(客演)

四、闇市案内図(委嘱・初演) 鷹羽弘晃作曲

五、劇的モノローグ「駈込み訴え」(委嘱・初演) 林光作曲
   歌:谷篤(客演)


津田ホール JR千駄ケ谷駅下車
18:30開場 19:00開演
前売 A5,000円 B4,000円 C3,000円
当日 A5,500円 B4,500円 C3,500円
ヤングシート:25歳以下の方にB,C席を割安料金で。
前日午前中までに日本音楽集団事務所へご連絡ください。

主催:特定非営利活動法人 日本音楽集団
助成:平成18年度文化庁芸術創造活動重点支援事業



コンポーザーズ・プロジェクト・シリーズVIII〜林光氏からのメッセージ〜 林 光
邦楽器をもちいた作曲の少ない私が、ひと晩のプログラムを組むことができるかと、おおいにためらったが、日本音楽集団の好意あるお勧めをお受けすることになった。
 数年まえから、谷篤さんといくつかの断片を試みていた「駈込み訴え」の全面的な建造に、意欲を燃やしている。また、鷹羽弘晃さんに、招待作品の作曲を快諾していただいた。とても嬉しく、また楽しみだ。何人かの仕事仲間に後押ししてもらいながら、「集団」の皆さんとの新鮮な出会いを作り出せればと願っている。

林 光(はやし ひかる)プロフィール
1931年東京生まれ。東京芸術大学作曲科中退。尾高尚忠、池内友次郎両氏に師事。53年間宮芳生、外山雄三らと「山羊の会」を結成。同年、「交響曲ト調」により芸術祭賞、56年「オーケストラのための変奏曲」により第四回尾高賞、61年映画「裸の島」(新藤兼人監督)により第二回モスクワ映画祭作曲賞を受賞。オペラシアターこんにゃく座芸術監督として日本の小劇場オペラ運動を推進。99年オペラ「吾輩は猫である」(1998)をはじめとするこんにゃく座のオペラ作品により第三十回サントリー音楽賞を受賞。オペラ作品として、「あまんじゅくとうりこ姫」「おこんじょうるり」「白墨の輪」「セロ弾きのゴーシュ」「森は生きている」「変身」「犬の仇討ちあるいは吉良の決断」「花のラ・マンチャ騎士道あるいはドン・キホーテ最後の決断」など。また、合唱曲「原爆小景」(2000年完結)、カンタータ「脱出」などの合唱曲と声楽曲、「第三交響曲<八月の正午に太陽は・・・>」「ヴィオラ協奏曲<悲歌>」(1996年第四十四回尾高賞)などの器楽曲も多数。他方俳優座、黒テント他と共同した音楽劇、そして映画音楽、宮沢賢治やブレヒトの歌曲など。著書「日本オペラの夢」(岩波新書)、「作曲家の道具箱」(一ツ橋書房)他多数。


「闇市案内図」について  鷹羽 弘晃
私の初めての邦楽器の為の作品が「日本音楽集団」さんへの曲になろうとは夢にも思っていなかった。こんなに幸せで贅沢なことはない。題名 は2つの意味から。ひとつは闇市の情景。様々な民族が交ざり、自由に生きる場所。ごったがえす路地の臭気であったり、探せばなんでもあるような底なし沼のような雰囲気を描くこと。そしてもうひとつは私の中 の闇、潜在的で脳の奥に在るはずであろう私のルーツを呼び起こさせるという願いから。曲はそんなまとまり切れないものたちが落とし込まれた混沌とした輪舞曲。

鷹羽 弘晃(たかは ひろあき)プロフィール
2001年桐朋学園大学作曲理論学科卒業。作曲を三瀬和朗、権代敦彦の各氏に師事。1999年、弦楽六重奏のための「サーキット」が第 68回日本音楽コンクール作曲部門入選。2003年「otoの会 新作初演コンサート」では、自作を含む全曲初演ピアノ・リサイタルを行った。主な作品に、歌曲「ことのはひらひら」(「新しい歌を創る会」委嘱)、声楽アンサンブルのための「あらべすく-京極為兼讃」(「創る会」初演)などがある。現在桐朋女子高等学校音楽科(共学)教諭及び桐朋学園大学音楽科非常勤講師。


【客演者のプロフィール】
竹田恵子(たけだ けいこ)〔歌〕 
1974年〜2004年5月、オペラシアターこんにゃく座に所属。代表など務める。オペラの新たなスタイルの創出と、歌役者のあり方を模索。故・宮川睦子氏が創出した「こんにゃく体操」にも長年取り組み、表現の土台づくりの場としての同体操の普及を実践してきた。CDも多く「私が歌う理由・赤電車」「竹田恵子ブレヒト・ソングを歌う」はレコード芸術誌特選。最新盤に「竹田恵子コンサート/オペラひとりっ切り」がある。

谷 篤 (たに あつし)〔バリトン〕
東京芸術大学声楽科卒。同大学院修士修了。日・仏・独・伊・露の歌曲を広くレパートリーとし、歌曲演奏者として活動、邦人作品の初演も数多い。バリトンからカウンターテナーの音域を歌い、その表現力は高い評価を得ている。「歌の行方」「うみたてたまごうた」「ひとときの歌」企画主宰。語り手として「イノック・アーデン」「兵士の物語」翻訳、公演。NHKラジオ「武満徹エッセイ集」朗読。東京芸術大学音楽学部非常勤講師。

寺嶋陸也(てらしま りくや)〔指揮〕
東京芸術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修士課程修了。作曲とピアノ演奏の両面で積極的に活動、2003年パリ日本文化会館における作品個展「東洋と西洋の出会い」などは高く評価された。オペラや室内楽曲など作品多数。CD「大陸・半島・島/寺嶋陸也作品集」(ALCD-9026)ほか、室内楽や歌曲の伴奏など、多くのCDがある。ホームページ
http://www.gregorio.jp/terashima/

Copyright © 2002 Pro Musica Nipponia All right Reserved.