日本音楽集団
Japanese English
 2006.11.18.(土) 第185回定期演奏会 和楽劇・呑気布袋・ドンキホーテ
◆ モニターレポート ◆

待望の追加公演が決定しました!
・午後1時30分開場 午後2時開演
・午後5時30分開場 午後6時開演 (追加公演)

今年はセルバンテスの「ドンキホーテ」刊行400周年となります。すでにミュージカル、バレエ、交響詩と、数々の名作が華やかに公演を続けていますが、我が日本音楽集団は《理想郷を求めて旅に出掛ける山寺の「呑気布袋(ドンキホーテ)」》を主人公に「和楽劇」として、その作品群に新たに名乗りを上げます。音楽集団の信条とする「分野の隔てのない音楽表現」に相応しい、各界を代表する演者の皆さんに、芝居の部分を担当していただきます。ステージを「能舞台」に見立て、その周りを音楽集団のメンバーが囲むように配置します。しかし「呑気布袋」からは、目に映るものは全て空想的対象となり、能舞台から飛び出し、演奏者、指揮者までをも巻き込んでいきます。
世にも奇妙奇天烈な遍歴の旅の結末は・・・


脚本:荘奈美

客演
狂言:善竹十郎(呑気布袋・ドンキホーテ)
琵琶唄:上原まり(華の精・ドルシネ―ア)
テノール:森 一夫(山椒半左・サンチョパンサ)
合唱:東芝フィルハーモニー合唱団

作曲:秋岸寛久・川崎絵都夫・福嶋頼秀(日本音楽集団)
指揮:田村拓男
演奏:日本音楽集団
企画・構成:西川浩平


第一生命ホール(晴海トリトンスクエア) 
都営大江戸線「勝どき駅」A2a出口より徒歩8分
13:30開場 14:00開演
17:30開場 18:00開演 (追加公演)
前売 A5,000円 B4,000円 C3,000円
当日 A5,500円 B4,500円 C3,500円
ヤングシート:25歳以下の方にB,C席を割安料金で。
前日午前中までに日本音楽集団事務所へご連絡ください。

主催:特定非営利活動法人 日本音楽集団
   NPOトリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール
助成:平成18年度文化庁芸術創造活動重点支援事業・(財)朝日新聞文化財団



蛮勇の弁   荘奈美
 ドン・キホーテを日本化したら、どうなるでしょうか?文芸の世界をざっと見渡してみたのですが、これといったものがみつかりません。ええい、それなら、こっちの手でつくってしまえ!−まさに、ドン・キホーテ的蛮勇をふるうことになりました。
 まずは、語呂合せから。ドン・キホーテが呑気布袋、サンチョ・パンザが山椒半左、ロシナンテが老子南天…と、苦しまぎれにひねり出し、これを狂言ふうの時空間におそるおそる置いてみたところ、どうでしょう、人物たちはみるみる勝手に動き出し、あろうことか、主役の布袋は、その日のうちに神に召されてしまったのでした。
 何とも芸のないお膳立て、とは百も承知。大船に乗った気でいるのは、善竹さん、上原さん、森さんといった、芸達者、声達者のめんめんが、このボロ船に乗り組んでくださることになっているからです。かてて加えて、日本音楽集団という練達の水手梶取(すいしゅかんどり)つきとあれば、安全航海まちがいなし。竜骨もくだけよ、とばかり、船は現代という非情の大河をくだります。船が、酔いどれ船とならなければ良いのですが。


和楽劇・呑気布袋  西川浩平
 聖書に次ぐ発行部数を誇る、とも言われる17世紀スペイン不朽の名作、セルバンテス「ドン・キホーテ」を、日本の物語に置き換えて日本音楽集団で歌劇にできないか…このちょっとした発想を、作家、荘奈美さんに投げかけたところから、今回の公演は動き始めました。そして「第一生命ホール・オープン5周年記念コンサート」として共催を頂き、あれよあれよという間に形が見えてきたのです。それにしても今回の企画を華々しく飾って頂いたのは、素晴らしい客演の方々といえます。それは初顔合せの時のことでした。台本も無いのに…「それは如何な事!」と狂言の善竹十郎さん、「ハァ〜?どうなっちゃってるの〜?」とテノールの森一夫さん、「あら〜和尚さま〜」と琵琶唄の上原まりさん。自然な会話がすでに「和楽劇・呑気布袋」として半ば出来上がっていることに、皆が驚きの声を上げたのです。加えて合唱・コロスの役を、東芝フィルハーモニー合唱団が、団を挙げて共演して下さいます。音楽は、音楽集団作曲家達三人の書きおろし。
 今回の公演のために作られた造語《和楽劇》は、音楽集団の信条とする「分野の隔てのない音楽表現」に相応しい言葉であり、「和楽劇・呑気布袋」は・・理想郷を求めた音楽の旅・・となる筈です。


客演者プロフィール
狂言:善竹十郎(呑気布袋)
昭和19年大阪生まれ。故善竹圭五郎の長男。父及び大蔵流24世宗家故大蔵彌右衛門、祖父故善竹彌五郎(人間国宝)に師事。早大卒。6才で初舞台。(社)能楽協会(社)日本能楽会会員。重要無形文化財総合指定保持者。昭和58年度芸術選奨文部大臣新人賞、平成5年大阪文化祭賞受賞。桐朋学園芸術短大、昭和音大、帝京平成大、早大EXT.C.講師……

琵琶唄:上原まり(華の精)
宝塚歌劇団花組娘役トップスタートして「ベルサイユのバラ」のマリー・アントワネット役で一世を風靡。退団後は筑前琵琶奏者として、日本の二大古典「平家物語」「源氏物語」の演奏活動、CD制作等を含め活躍している。

テノール:森一夫(山椒半左)
1962年東京声専音楽学校声楽科卒業。二期会合唱団を経て’68年東京混声合唱団に移籍。柴田南雄「追分節考」「萬歳流し」「往生絵巻」初演。間宮芳生「コンポジションI・V」等のソロで活躍。’88年リサイタルで間宮芳生「陀助の首」を委嘱初演し好評を得る。’01年波多野睦美と間宮芳生「日本民謡集」を全曲演奏しCD化される。現在フリー。

東芝フィルハーモニー合唱団
東芝グループ社員OBOG、その家族等で構成する企業内混声合唱団で92年5月発足。常任指揮者河地良智先生のご指導の許、定期演奏会、日本産業音楽祭等で演奏活動中。団員約150名。ベートーヴェン交響曲第9番、ヘンデル「メサイア」、モーツァルト・ブラームス・フォーレ他の「レクイエム」、ミサ曲、オペラ、ミュージカル、ポピュラーソング、世界・日本の民謡・合唱曲等、幅広いジャンルで音楽活動を行っている。

ゲスト出演の東芝フィルハーモニー合唱団との稽古風景です。



Copyright © 2002 Pro Musica Nipponia All right Reserved.