日本音楽集団
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 2007.11.17.(土) 第189回定期演奏会 語りと音楽

語りと音楽「ヘチとかいぶつ」〜「竹取物語」

 日本音楽集団と韓国の絵本「ヘチとかいぶつ」との出会いには不思議な因縁を感じます。昨年(2006年)3月、育児支援コンサート(NPOトリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール主催)で、韓国の絵本(スライド)の音楽を担当しました。日本音楽集団と親交のある韓国の作曲家朴範薫氏(「シナウイ」)や、そして今回は更に白大雄氏(「南道アリラン」)の音楽がピタリと的を射たのです。語りにはNHKの韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」のトックおじさん役(声優)を演じる佐々木梅治氏があたり、すべてがはまり役。構えは磐石。隣国韓国と一層の親交・発展を願う作品でもあります。
 ご存じかぐや姫のお話「竹取物語」では、二十絃箏があたかもかぐや姫のごとく、蔵人(くらんど)の少将(しの笛)と対話をします。琵琶が竜女を、笙や能管・太鼓たちが平安の風情を表すなど、日本の伝統楽器たちがそれぞれの役目をもって、木目細やかな物語を創出します。稲垣氏の名調子の語りと邦楽器たちとの迫真の音楽劇をお楽しみください。
田村拓男

一、新八千代獅子
藤永検校作曲 畦地啓司・藤舎呂船・三木稔編曲(1976年)


二、南道アリラン
白大雄(ペク・デイウ)作曲/秋岸寛久編曲(1996年)


三、韓国の絵本「ヘチとかいぶつ」
文:チョン・ハソプ 絵:ハン・ビョンホ 訳:おおたけきよみ

 音楽:日本楽器によるシナウイ より
 朴範薫(パク・ポンプン)作曲(2000年)

 語り:佐々木梅治(客演)

四、竹取物語 〜龍女の玉〜
海津勝一郎作・長沢勝俊作曲(1976年)

 語り:稲垣隆史(客演)

 

第一生命ホール(晴海トリトンスクエア)(都営大江戸線「勝どき駅」A2a出口より徒歩8分)
午後2時開演(1時30分開場)
前売 A5,000円 B4,000円 C3,000円
当日 A5,500円 B4,500円 C3,500円
親子券(B席) 2枚1組5,000円(追加1枚につき2,500円)
※25歳以下の方との組み合わせでお申込下さい。
ヤングシート:25歳以下の方にB,C席を割安料金で。
前日午前中までに日本音楽集団事務所へご連絡ください。

チケット予約:
  日本音楽集団 TEL:03-3378-4741 FAX:03-3376-2033 E-mail:【お問い合わせ】
  電子チケットぴあ pia.jp/t 0570-02-9999

主催:特定非営利活動法人日本音楽集団  NPOトリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール
助成:平成19年度文化庁芸術創造活動重点支援事業
協力:株式会社アートン

ヘチとかいぶつ

韓国の絵本「ヘチとかいぶつ」の朗読に、音楽を合わせる試みは、2006年3月NPOトリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール主催:育児支援コンサート「子どもを連れてクラシックコンサート」にて初演されました。スライド投影された鮮やかな色使いの「かいぶつ」たちと、朗読・音楽が融合した、迫力ある舞台が展開されます。

佐々木梅治(劇団民藝)プロフィール:
北海道置戸町生まれ。北見市立南中学校、道立北見北斗高校卒業。立命館大学卒業。1973年、劇団民藝入団。民謡からシャンソン、茶道、狂言、クラシックバレエまで関心が高く、古典劇でも現代劇でも幅広い役を演じている。また、宇野重吉一座の九州公演中、宇野の代役で14回「三年寝太郎」を努める。
近年では、「夜明け前」「子午線の祀り」(共に新国立劇場)、「山神様のおくりもの」(わらび座公演)などに出演。その他、声優として「相続人」「トイストーリー・2」「JSA」「パイレーツ・オブ・カリビアン」、韓国ドラマ「オール・イン」「チャングムの誓い」にレギュラー出演するなど、役柄によって多彩な声を聞かせている。
現在、井上ひさし作「父と暮せば」の一人語りで、全国公演中。

竹取物語 〜龍女の玉〜

この作品は、1976年7月の第35回定期演奏会にて初演されました。わが国最古の古典と言われている物語を、国文学に造詣の深い海津勝一郎氏が大胆に脚色した、悲しくも美しい物語です。初演以来、語りには毎回、劇団民藝の稲垣氏にお願いしています。日本音楽集団では、これまでにも多数の語りを伴う作品を創出していますが、その多くは稲垣氏の語りによって初演されています。

稲垣隆史(劇団民藝)プロフィール
俳優座養成所卒業後、劇団民藝に入団、宇野重吉演出「檻」でデビュー。
同時に多くの日活映画、テレビドラマに出演するも、その後舞台に専念。
主な舞台は「炎の人ゴッホ(芸術祭大賞)」のロートレック、「どん底」の役者、「セールスマンの死」のハッピー、「終末の刻」の山田右衛門作、「るつぼ」のヘイル牧師、「俳諧師」の路通、「アンネの日記(芸術祭選奨)」のデュッセル、「巨匠」のピアニスト等を演じ、その他メキシコ演劇祭に招かれ「山椒大夫」の厨子王役で南米各地を巡演、先年スウェーデン大使館の主催で九曲の歌とモノローグで綴る、かの国の国民的作家ストリンドベリーの愛と別れを描いた一人芝居「糞ったれ!」を演じた。
又、日本音楽集団に屡々語り手として招かれ「竹取物語」をはじめ、「ごんぎつね」「百物語」「砂漠に消えた王(オイディプス王より)」「八郎物語」などに客演。他にも国内外の演奏家と語りで共演「スーホーの白い馬(馬頭琴)」「杜子春」「雨月物語」「戦場のピアニスト」などがある。

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